解説が難解なため、ザックリお読み頂いて先の項目をご覧いただくことをおすすめ致します。
全てお読み頂いてから再度ここをお読み頂けるとイメージがしやすいかもしれません。

※CFMの言う結合組織とは、主に密性結合組織や疎性結合組織と呼ばれるものを指します。

一般的な「結合組織」と新たな解釈

結合組織とは主に、腱、靭帯、腹膜、真皮、髄膜、骨膜、などなど、
普段は個別の部分ごとに呼ばれている組織のことです。

一般的には、
「各器官や臓器を繋ぎとめ隙間を埋めているもの」
という解釈です。

しかしこれは結合組織の認識として適当ではありませんでした。

本来ならば、
”途切れることなく全ての器官を覆い、体そのものの形をつくり出している組織”
という解釈の方がしっくりきます。

※この考え方の場合、表皮や粘膜などの上皮組織はコーティングのような位置づけになります。

部分ごとの結合組織

基本的に結合組織はわずかな細胞と、
コラーゲンなどのタンパク質で作られた丈夫な繊維で出来ています。
この繊維に弾性はなく、ゴムのように伸び縮みはしません。

繊維の配置は不織布のように織り重なっており、
全身の各器官を全て包み込んでいます。

特に骨と骨の連結部(関節)のように、
大きな外力がかかる部分には大量の繊維が配置され、強力に骨の位置関係を保持します。
一般的に、こうした部分の結合組織を限定して「靭帯」と呼んでいます。

また、結合組織は内包する筋繊維の動力を伝える役割もあり、
筋繊維から離れた位置に限定的に動力を伝える場合などは、
「腱」と呼ばれ、一部は紐状になっていることもあります。

そしてその動力を無駄なく伝達するため、
筒状になり「腱」を通している部分を「腱鞘」と呼んでいます。

このように様々な形状を呈する結合組織ですが、
ミクロレベルの繊維同士が自由でないと、マクロの動きも当然制限されます。

例えるなら糊を効かせ過ぎたワイシャツを着たような状態ですが、
実際はそんな生易しいものではありません。

がっちり動きが無くなった結合組織はまるで骨のようです。

結合組織の役割と「関節硬縮」

結合組織そのものに自発的な働きは存在しません。
身体の内外から起こる力に対応し、保持するのが役目となります。

ポジション的には完全受け身型の組織であると言えるかもしれません。

そして繊維と繊維の間の体液循環が滞るとガッチリ硬くなります。

即ち、適度な外力で組織自体が動かされていないと動けなくなる
ということです。

これの顕著な例が、骨折などの治療で行う固定により起こる「関節硬縮」です。
(固定されていた部分が動かせなくなった状態)

硬さ+しなやかさ=強靭さ

健康な結合組織は丈夫な繊維が生み出す ”硬さ” と、
繊維ごとの円滑な動きが生み出す ”しなやかさ” を併せ持つ、

まさに ”強靭な組織” であると言えます。

この硬さとしなやかさという相反する性質を維持するのは容易なことではありません。

”強靭さ” は硬い繊維と繊維同士の円滑な動きが有ってはじめて得られるものです。
(イメージとしてはワイヤーロープや鎖かたびらなどのような感じです。)

繊維同士の円滑な動きを維持する上で絶対的に必要なもの、
それは繊維と繊維の間の潤滑液です。
(ワイヤーロープや鎖かたびらも構成する鉄同士が自由に動けない状況では鉄の塊と変わりません。)

言い換えると、結合組織の動き(強靭さ)を維持するためには

”組織内の体液循環”

が良好でなければならないということです。

これは、繊維同士の動きが損なわれた結合組織でも、
組織内の循環を確保できれば、動きは取り戻せるということです。

結合組織が健康でいられる条件

上記の内容から、結合組織の状態を良好に保つための条件を抽出してみます。

それは

”日頃から体の各部が動く限界まで頻繁に動かすこと”

です。

しかしこれは全く制限が無い状態が前提で、
実際何の制限も無い状態の個体は赤ちゃんぐらいです。

となると、結合組織の硬さが出たら都度除去してゆくということになります。
軽度のものならCFMの理論で行うセルフケアで何とかなることでしょう。

では、既に相応の症状や制限が出てしまっている場合はどうすればよいでしょうか?
それは今現在ではCFMの施術を受けること一択となってしまいます。

改めて記します。

CFMの施術は、気休めやその場しのぎのものではありません。
体の状態を根本的に変えるものであるとご理解ください。

CFMが訴える結合組織の特徴 まとめ

  1. 体の全ての器官を覆い、繋ぎ合わせ、体そのものを作り出している組織
  2. 繊維組織が折り重なって出来ていて、弾性は無い
  3. 結合組織そのものに動力は無く、外力によって動かされることで循環を維持する
  4. 繊維同士の動きが無くなると骨のように硬くなる
  5. 繊維の間に体液が循環することで強靭な組織として機能する
  6. 硬くなった結合組織は痛みを感じやすい
  7. 強い外力に対しては補強のため繊維の密度が増し、循環が損なわれやすい。
  8. 動きが損なわれた結合組織でも、柔軟にすることは可能

上記の特徴は一般に周知の事実であったり、解釈だけ変えたもの、
あるいは施術から得られた情報を基に導き出したものであります。

更に細かい情報や説明の不十分な点、未だ仮説とも言えない案件も存在しますが、
先ずは結合組織に着目する必要性を強く訴えたいと思います。

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